太陽と月と風と雨になった父の話

6年半前の父の初七日の時に聴いた住職さんのお話があまりにも素晴らしかったのでシェアします。

 

 

父の生前の話などをした後に、

 

「お釈迦様が○○○(父の名前)と言う人間の姿になって現れて、あなた方家族に色々なことを教えてくれたんですよ。」と話してくれた。

 

そこはお寺なのでお釈迦様と言ったけど、神と置き換えても同じ意味だと思う。

 

元々は神様の子供である神の子(神の一部)が人間の姿になって、私達の前に現れた。
(もちろん、私達全てが神の子なんだけど)

 

神の子と言っても 完璧な良い姿だけでなくダメな姿や弱い姿・・色々な姿を演じながら、私達に大切なことを・・・生き方を通して見せてくれたのだと言う話だった。

 

そして自分の役目が終わったら又元の自分になってすべてなる神の元へ還っていくのだと言っていた。
(これはいつも私がみんなに伝えている話とまったく同じだった)

 

 

生前の父がどんな風に生きてきたかなど、事前に話を聞いて頂いた時も、陽の当たらない裏の世界を生きて波乱万丈な人生を生きた父に対してとてもあたたかく理解を示して下さった。

 

こんな話ができる素晴らしい住職に供養して頂いて父も喜んでいるだろうとその時思った。

 

 

そして、話の最後に、

 

「人間として役割を果たして肉体を離れたら・・・

 

 

生きていた時に右目で見たものは太陽になって・・・

 

左目で見たものは月になって・・・

 

話した言葉は風になって・・・

 

流した涙はみんな雨になります。 」

 

と言うお話だった。

 

 

その言葉でポロポロ涙が流れた・・・。

 

 

愛が胸いっぱいに広がるような深く心に沁みる言葉だった。

 

 

生きていた時に見たものは太陽と月になって、

 

話した言葉は風になり、

 

そして、流した涙は雨になる・・・。

 

 

なんて、素敵な言葉だろう。

 

 

 

その言葉を聴いてから、

 

私は父と話をしたくなると、

 

 

太陽を見ながら、父が生きていた時に何を見ていたんだろうか?

 

月を見ながら、父は何を感じていたんだろうか?

 

風を感じた時は、父は何をもっと伝えたかったのだろうか?

 

そして、雨が降った時は、父は心の中できっと、たくさんの涙を流していたんだろうな…。

 

そんな風に 生きていた時にはわからなかった父の想いを感じるようになった。

 

 

生きることに父は苦しみもがき、孤独から心を病んだ。

そして、全てを恨み私を散々困らせた。

 

そのあまりの仕打ちに(早く死んで欲しい!)とまで思った私だった。

 

肝臓ガンで亡くなる前の1年間だけは 優しかった父に戻って 心安らかに神様のいる場所に還って行った。

 

色々あった父だったけど、今は太陽になり、月になり、風になり、雨になっていつも私を見守ってくれている。